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VOICE

Case
24

移住者の声

岐阜県 → 田原市

サーフィン三昧の生活を求めて移住。
家族ができた今は漁業&農業に夢中!

那須憲治さん

<プロフィール>
岐阜県多治見市出身。20歳でサーフィンをはじめ、移住を決意。念願のプロとなり、数々の大会に出場し次々と記録を残していたが、結婚して3人の子宝に恵まれたのを機に引退。現在は漁師と農業の2足のわらじ生活で田原暮らしを満喫中。

Q1.田原への移住のきっかけは?

 きっかけは20歳ではじめたサーフィン。やればやるほどもっとうまくなりたい、毎日海に入りたい、プロになりたいという思いが強くなり、思い切って仕事をやめて移住することにしました。
 当初は、派遣会社の寮に入って仕事して、海に入って…と移住の暮らしを思い描いていましたが会社を2日で辞め、クルマの中で暮らす生活に。さすがにまずいと思いかけた頃、紹介されたのがシラス漁の仕事です。仕事は日の出から昼過ぎまで。それさえ終われば暗くなるまでずっとサーフィンができたので、僕にとっては最高の職場でした。
 若い頃は、自分でもなんとかやれていると思っていたけれど、今思えば、その裏には何かと世話を焼いてくれた田原の人たちの支えがあったのですね。
 こうしてサーフィン一筋の生活を続けた結果、数々の全国大会で結果を出せるようになり、プロにもなれました。27歳の時に結婚し、子どもが生まれると、さすがに独身の頃と同じ生活はできません。大会の結果は、その人がどれだけ強い思いを持って挑んでいるかという部分が大きく、生活のすべてをサーフィンだけに注げなくなった僕には、だんだんと厳しいものになってきました。
 そこでひとつの区切りとしてプロ生活を終えることを決意。ひとつのことに打ち込んで情熱を持ち続けられたからこそ、サーフィンと出会えたことや、田原で多くの人に支えられたことにとても感謝しています。

Q2.移住から20年。田原の住み心地はいかがですか?

 田原はとても住みやすい土地で、田舎ということもあって人付き合いは濃い方です。見たことのない顔がいると「どこから来たんだ?」と気軽に声をかけてきてくれる。「食うもんあるのか。野菜やるぞ」と(笑)。子どもの面倒にしろ、仕事にしろ、困ったときに何かしら手を貸してくれるのはいつも田原の人たちです。
 近くに親類縁者のいない僕たち夫婦にとって、家事も子育ても2人で協力してやらなきゃ回っていかないのですが、そんな中で気にかけてくれる近所の人の存在は、とても心強いものでした。

Q3.実際に住んでいるから分かる、移住にあたっての注意点とは?

 やはり現実的に、都市部に比べたら「仕事が少ない」ということでしょうか。仕事はあっても、自分の欲しい収入とかけ離れているとか、そういうことで難しいと断念する人は多いと思います。あくまで僕の考えですが、そこで悩むぐらいなら、まずは今いるところで手に職を持ったうえで、こちらで展開する方が現実的ではないかと思います。
 ほかには、愛知県の助成金制度を使って新規就農するという手もあります。実は僕も4年前から漁業のほかに農業も始めたんですよ。僕の場合は、漁業をしていたから、残念ながら助成金制度は使えませんでしたけど、心機一転してここで移住するなら、そんな選択肢もあると思うんです。
 道具も経験もない、という人も、行政のほうできちんとサポートがあるので大丈夫。僕の場合は、制度が使えないことがわかって途方に暮れていたら、キャベツ農家の知人が道具も技術も与えてくれたので、なんとか軌道に乗ることができました。

Q4.農業を始めるメリットと就農のポイントは?

 農業をはじめる理由として、僕が考えたのは、農業は行政による支援があるということ。田原はキャベツの産地なので、キャベツ農家であれば、流通に乗せやすいだろうということ。そして、朝から晩まで毎日する仕事じゃないので、これまでどおりサーフィンや釣り、子どもとの遊びの時間も確保できることです。
 そうはいっても失敗したら痛手なので、最初から大きなことを考えず、できる範囲から始めました。1000㎡足らずの畑からはじめて、毎年4倍ずつ増やしていき、今は16000㎡に。無理せずあせらず、確実にやっていけばリスクは減るし、何より毎年、自身の成長を実感しながら働けるのは、励みになりますしね。いまは本当に農業が楽しいですよ。
 とはいえ農作業は簡単ではないので、土や虫、病気など失敗もしょっちゅうしていますけど、「どこが悪かったんだろう」「次はどうしたら良くなるんだろう」と自分なりに考えて改善して、挑戦し続けられることが楽しいんですよね。これはサーフィンの上達法とも同じ。だから、失敗というよりは「うまくいかない方法を見つけた」と思っているんです。農業って熱中するだけの魅力があると思うから、仕事がないと嘆くより、せっかく田原という恵まれた土壌に移り住んでくるのなら、ぜひ飛び込んでみたらいいと思います。
 新しいことを始めるのは勇気もいりますが、その分、新しいことを手に入れることができますよ。

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※記載内容は取材当時のものです。

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