新城市 その他
築百年の古民家をリノベーションし、平成二十九年一月に新城市上吉田にオープンした古民家茶屋「久兵衛」。無農薬野菜やグルテンフリーにこだわった料理を提供しています。
今回は、「久兵衛」の店長である星野さんに、オープンに至った経緯や素材へのこだわりについて、お話を伺ってきました。
古民家茶屋 久兵衛
〒441-1622 新城市上吉田字栗本11番地
電話番号:0536-34-0046
営業時間:11:30~14:00(L.O.13:45)
18:30~23:00(L.O.22:30)
※火、水、木の夜の営業は予約のみ
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業、翌日休み)
始めに、お店をオープンすることになった経緯を教えてください。
星野
まず、私が料理人になったのは、寿司料理店に住み込みで働き始めたのがきっかけでした。その後、洋食店や和食店を渡り歩き、病院や道の駅でも働かせていただきました。料理人として働くうちに、いつかは独立し、自分の店を持ちたいと思うようになりました。
そんな折、父が実家をリノベーションするという話があり、これを機に実家で料理屋をオープンすることにしました。「久兵衛」という名は、昔庄屋だった頃の屋号で、父から「店を開くなら店名は「久兵衛」にしてほしい」と以前から言われていたため、この店名にしました。
どのようなお店にしたいとお考えになっていたのでしょうか。
星野
地元に貢献したいという気持ちが強かったので、地元の方々の要望にできる限り応えたいと考えていました。
この上吉田の地域では、料理屋が少なく、ご年配の方もコンビニにお弁当を買いに行っているという話を聞いていたため、初めは、仕出し弁当を作るお店を考えていました。しかし、地元の方々からは、モーニングのある喫茶店や居酒屋を作ってほしいという声が多くあったため、昼間はモーニングやランチを提供し、夜は居酒屋として営業するお店にしました。
ところが、いざ開店してみると、モーニングで来るお客様が予想より少なく、逆にランチのお客様が予想より多かったため、モーニングは取りやめ、現在の営業体制となりました。
地元の方々の要望を反映し、現在のお店になったのですね。料理は、無農薬野菜やグルテンフリーにこだわっているとのことですが、その理由を教えていただけますか。
星野
以前から、自然食レストランを経営したいという想いがありました。そこで、無農薬野菜の利用やグルテンフリーという食事法に目を付けました。
アレルギー体質を持っているテニスプレイヤーが、グルテンフリーの食事法を取り入れたところ、アレルギー体質が改善され、試合成績が劇的に向上したという話があります。また、良質な野菜を多く食べることで、性格が明るく穏やかになるという実験結果もあるそうです。
当店でも、食べることで心身共に健康になれるような食事を提供することで、皆さんの役に立ちたいという想いから、無農薬野菜やグルテンフリーを取り入れることにしました。無農薬野菜は、地元の農家さんが作ったものを仕入れています。
味付けに関しては、田舎料理は味付けが濃いものが多いですが、当店では優しい味付けの食事を提供しています。もちろん調味料もグルテンフリーのものを使用しています
無農薬野菜やグルテンフリーのお食事は、「久兵衛」さんならではの特徴ですね。その他のメニューへのこだわりについてもお聞かせください。
星野
当店自慢の「久兵衛ランチ」では、自然薯を提供しています。自然薯は、天然の最高品質のものを鳥取県から仕入れており、自信を持って提供しています。
日替わりランチは、毎日メニューを変えるようにしています。ありがたいことに、毎日ご来店くださるお客様もいらっしゃるので、そういった方を飽きさせないために、メニューを考えています。
また、ランチにスムージーがついてくるというのは、他では見られない当店の特徴だと思います。昔から、自分の店を持つなら、スムージーは必ず作りたいと思っていました。砂糖は使わず、野菜と果物だけで作ったスムージーは、その自然な甘さから大変ご好評いただいております。
最後に、今後の展望や課題などがありましたら教えてください。
星野
当店がオープンして一年以上経ち、SNSによる拡散効果もあってか、ランチ時には他県からもご来店いただくことが多くなりました。しかし、平日の夜となると、お客様が少ないのが現状です。平日の夜にも多くの方にご来店いただくために、何か工夫をしなければならないと感じています。
そこで今後は、地元のブランド牛である鳳来牛を使用した料理や鹿肉などを使ったジビエ料理にもチャレンジし、この地域ならではの特色を出していきたいと考えています。また、現在スムージーは一種類しかないので、新たなスムージーも作りたいと思っています。
地元に貢献したいという想いから始めたお店なので、これからも地元の皆さんの要望にできる限り応え、多くの方に愛されるお店にしていきたいと思います。
出展
「キラッと奥三河-人・物・文化・企業-」
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/shinshiroshitara/kiratto.html
No.35 地元に親しまれる古民家茶屋 久兵衛
訪問日 平成30年3月26日
取材者 新城設楽振興事務所 小田、松井