新城市 その他
現在、県内には数多くの自主防犯ボランティア団体が、安全で安心して暮らせる地域づくりを目指してそれぞれ地域で精力的に活動されています。そのような団体の中で、今回は、新城市の舟着地区に位置する市川・塩沢・鳥原・吉川を拠点に活動している「東部青パト隊」の皆さんを訪問しお話を伺いました。
はじめに、東部青パト隊の組織の構成についてお聞かせください。
東部青パト隊は、今から10年前の平成18年6月に設立しました。現在、東部青パト隊の構成員は隊長及び副隊長以下62名です。設立当時は70名以上いましたが、青パト隊への新規加入者が少ないことから、隊員数は年々減少しています。
また、地区ごとに班を設けておりまして、現在、市川班が11名、塩沢班が13名、鳥原班が24名、吉川班が14名で、それぞれの班には班長、副班長を置いております。
なお、活動に当っては、年間の活動計画を立て市や警察とも連携しながら計画的な防犯活動を行っています。
設立当時の地域の状況や設立に至った理由など、東部青パト隊を設立した経緯についてお聞かせください。
特に設立するに至った大きな理由はありませんが、設立した当時は、子供に関わる犯罪の発生が社会問題になっていたこともあり、設立の機運の高まりがありました。この地域は、都市部に比べると、人の出入りも少なく比較的安全であるとは思いましたが、やはり、自分たちの地域は自分たちで守った方が良いと思い、警察署からの勧めもあって設立しました。
東部青パト隊の活動範囲と活動内容についてお聞かせください。
活動範囲については、私たち青パト隊の地域である市内の舟着地区での活動が主ですが、活動の一つである防犯パトロール活動については、私たちの地域を超えて、市内全域を活動範囲としています。
活動内容については、防犯活動としては、青色回転灯付自動車(青パト)による防犯パトロール活動と子どもの安全確保活動の2つの活動が中心となっています。
一つ目の青パトによる防犯パトロール活動ですが、現在、青パトを市川班に2台、塩沢班に5台、鳥原班に6台、吉川班に5台の計18台保有しており、それぞれ東部青パト隊の隊員の保有する自動車に青色回転灯を付けて、ほぼ毎日、概ね午後3時から9時までの時間帯で巡回パトロールを実施しています。
次に、二つ目の子どもの安全確保活動ですが、この地域の子どもが就学する舟着小学校及び新城中学校への通学児童・生徒の交通安全や防犯の観点から子供たちが安全で安心して通学できるよう休校日を除き毎日、小学校児童については登下校時に、中学校生徒については登校時に、私たち青パト隊員や地域の方達が協力して、見守り活動を行っています。
また、舟着小学校では5年生児童で防犯少年団を結成しており、事業所訪問や防犯PRなど防犯少年団が行う防犯活動のお手伝いをしています。
なお、防犯活動に当っては、警察署や県、市などとも連携を取りながらの実施に努めるとともに、防犯キャンペーンにも進んで参加しています。
東部青パト隊の防犯活動に当って、苦労している点や課題等についてお聞かせください。
東部青パト隊の設立から既に10年が経過し、活動に使用する資材も老朽化したり傷んだりしています。防犯活動は地域住民の目に付き、実施していることが分るように目立つ形で行う必要があります。そのため活動資材を整えることに大変苦労しています。
新東名高速道路が開通し、新城インターチェンジが近いことから、この地域にも外部からの人の出入りが多くなることが予想されます。このため地域防犯活動の重要性は、今後益々高まるものと思われます。
私たち隊員には、設立当時から活動している者も多くおり、高齢化が進んでいます。今後も継続して活動していくため、新規加入の促進など活動の後継者の確保が課題となっています。
*****************
今回の訪問取材を通して、東部青パト隊の皆さんの「自分たちの地域は、自分たちで守る。」という熱意と地域への愛着心の強さを感じました。近年では、犯罪は減少傾向にありますが、住宅侵入盗や自動車盗、車上ねらいなどの街頭犯罪が依然として多く発生しているのも事実です。特に新城市では住宅侵入盗と車上ねらいの犯罪発生率が県下でも高い状況にあります。自主防犯団体は、地域防災力の『要』として犯罪の抑止に大きな役割を果たします。
今後とも、地域における防犯活動を継続して実施していただき、安全で安心して暮らせる地域づくりを目指していただくことを期待します。
出典
「キラッと奥三河-人・物・文化・企業-」
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/shinshiroshitara/kiratto.html
No.32 地域の安心・安全を守る自主防犯活動 東部青パト隊
訪問日 平成28年12月26日
訪問者 東三河総局新城設楽振興事務所県民安全防災課 佐野 藤田 小津