豊川市 芸術文化部門
会社員として働くかたわら、三河地方の魅力を紹介する動画による情報サイト「こちら三河放送局」を運営している局長の山口智人さん。
地元である東三河の魅力をたくさんの人に知ってほしい、という思いと、映像作成に携わることで、将来、映像業界に進む人のファーストステップになればと活動しています。
こちら三河放送局、略して「こちみか」のこと、聞いてきました。
こちら三河放送局を立ち上げた経緯を教えて下さい。
私は普段、コンピュータ関係の仕事をしており、インターネットのインフラを構築するような業務に取り組んでいるのですが、2008年頃に「動画を使ったビジネスが何かできないかなぁ?」と考えました。ですが、私自身、動画を撮ったこともなかった。そこで勉強のため、自分で撮った映像を投稿サイトに上げ、反響を見たりしていたのです。そして、ある日偶然、映像で地元のことを紹介しているサイトを見つけました。運営されている方は、福島県田村市出身、東京在住の方で、映像業界で働くプロでした。それ以来、私はその方に連絡を取りいろんなアドバイスをもらいながら、ビジネスではなく、一、三河人として、三河の魅力を映像で紹介するサイトをつくろうと思いたったのです。
サイトはいつできて、どのように広まりましたか。
2008年に正式に立ち上げました。
約1年後に中日新聞朝刊の県内版で取り上げてもらったことと、口コミにより、多くの人に知ってもらうことができました。
現在は、自局で撮影した映像の他、「碧海ロコネット放送局」という碧海地域のインターネットテレビ局や各市町村が作った映像も、こちら三河放送局のサイトで紹介しています。
それと、豊橋のケーブルテレビ「ティーズ」、豊川のケーブルテレビ「CCNet」の2局で「こちら三河放送局」という15分番組を流させてもらっています。この番組では、三河全域のイベントや観光地などの紹介映像が見られますよ。
こちら三河放送局を運営しているなかで難しく感じることは何かありますか。
いまは、実質私ひとりで運営しており、撮影やナレーション、編集など大変です。もう少し大きな団体にして、しっかり活動できればと考えています。
こちら三河放送局は任意団体すなわちクラブ活動ですから、ルールさえ守っていただければ、経験のあるなしに関わらず参加することができます。興味があれば、ぜひ連絡をもらえたらと思います。
地元を盛り上げようという思いもありましたか。
昔はこの地域そのものに興味がありませんでした。しかし、仕事で東京や大阪に住んだ後、こちらへ戻ってきたところ、東三河には、これまで知らなかった魅力がたくさんあることに気が付きました。例えば、今は病み付きになっている奥三河の花祭りのことも、これまでは全く知らなかったのです。しかし、これは、私に限ったことではないはずです。多くの方が、この地域の本当の魅力に気が付いていないのではないでしょうか?その様なこともあり、現在では、こちら三河放送局を通じて三河以外の方に、この三河の魅力を伝え、三河を活性化させたいと言った思いと、三河に住む人たちが、お互いの文化を知ったうえで助け合い支え合う環境作りのお手伝いをしたいと言った思いで、映像を制作しています。
実は、その思いをより現実的にする為、同じ志を持つ仲間達と、こちら三河放送局とは別に、三河の情報はこのサイトに全てあると言われるような映像ポータルサイトの制作も計画しています。
今後の目標を聞かせてくださいますか。
こちら三河放送局では、局員が「感動した」「楽しい」と感じたものを映像で紹介しています。「これは紹介しなければ」と思ったら、イベントや観光地だけでなく、個人、店舗、会社、NPO法人等の活動でも、無料で映像化していきます。その方針は、これからも変える予定はありません。素晴らしい文化を、色々な方の熱い思いが伝わるものを、どんどん取り上げていきたいものです。
また、このような活動をきっかけに映像文化に携わる人、携わりたいという人が出てくれば、と考えています。三河が、映像ビジネスの拠点になれば、それはそれで嬉しいです。
普段は会社員として働く山口さん。貴重な時間と多くの愛情を注ぎ、こちら三河放送局を育てています。その活動は、郷土の文化をみんなに知ってほしい、そして活動を知った人の中から映像に携わる人が生まれてくれれば…という思いが支えています。
インタビューは山口さんの熱意ある語り口に魅了された…。そんな楽しい時間になりました。